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「みなさん、さようなら。」

死なない人間なんていない。今、生きているということは、いずれ死ぬということだ。

《あらすじ》
ロンドンで証券マンとして働くセバスチャンは母から父親(レミ)が重体との知らせを受けて、故郷へ帰る。女癖の悪い父親を快く思っていないセバスチャンだったが、母親に頼まれて父親の幸せな最後を演出することになった。「友人に囲まれて・・・」というレミの願いを受けて、セバスチャンは各地からレミの旧友たちを呼び寄せる。

レミの最後はとても幸せなものだったと思います。自分のために外国からまで、友達が来てくれて、何だかんだ言いながらも自分の為に尽くしてくれる息子(セバスチャン)や妻が居て、『私が死ぬ時にはいったい何人の人間が側に居てくれるだろうか?』と思わず考えてしまいました。

レミがそういった最後を迎えられたのは唯単に幸運だったからというわけではなく、そういう幸せな最後を迎えられるような生き方をレミがしてきた結果なんだと思います。幸せな死を迎えるために生きるというのも、変な気がしますが、やはり絶対に死というものが訪れるのならば、『この世に生まれてきて良かった』と思いながら私は死んでいきたい。まぁ、自分の人生が満足できるものだったかどうかなんて、死ぬ時にならないと分からないとは思いますが。

レミの「オレはこの世から消えるのか?」・「自分の足跡を残したい」という二つの台詞が印象的でした。レミがいたということは誰もが忘れないと思うし、死後もレミとの思い出が消えてしまうわけではないけれど、もう二度とレミとの時間が共有できなくなるのは事実だし、未来の世界にレミは居ません。周りの人々がどう思うかは別にしても、死ぬ本人は自分が消えるというふうに考えるのも、何となく分かる気がするし、自分が感じたこと、思ったこと、伝えたいことを形に残しておきたいという思いも分かる気がする。だって、死ぬということはそういったことの全てが、もう出来なくなることだと思うから。自我が消えてしまうということだと思うから。

自分を見送るために集まってくれた友人に囲まれて、ワインを呑んでバカ話をしながら最後を迎えるなんて、本当に羨ましい。レミのように太くて濃い人生を歩んでこれたことが本当に羨ましい。私も幸せな最後を迎えるために、人にたくさんのものを与え、自分も人から与えてもらえるような愛の溢れた人生を送りたいと思ったのでした。

みなさん、さようなら みなさん、さようなら

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
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みなさん、さようなら@映画生活

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コメント

こんにちは。
悪さをしても、何故かいつも許されて、そして、誰からも愛されるような・・・レミってそういう羨ましいタイプの人間なのかも?と思いました。周りにそう思わせるような魅力がレミにはあったのでしょうね。尊敬される対象として慕われるより、何だか放っておけない愛すべき存在として、人の心に残る方が何だか幸せな気がしました。

投稿: ムム | 2006年5月29日 (月) 17時23分

TBありがとう。
その、レミが、1冊の著書もつくれない、しがない学校の教員で、女にもだらしない、というところがいいですね。社会的には駄目人間ですね。だけど、レミの元に集まる人々とは。その関係の歴史に、ポイントがあるんでしょうね。

投稿: kimion20002000 | 2006年5月29日 (月) 08時05分

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