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「アイ・アム・デビット」

ベン・ティバー(デビット役)の演技は本当に素晴らしかったと思う。演じているというより、デビットという少年そのもののような生々しさを感じた。

《あらすじ》
第二次大戦後のブルガリアでは、反体制活動家たちが次々と収容所へ送り込まれた。
両親が活動家だったがために、幼くして家族と引き離され収容所で育ったデビット。いつ命を失うかもしれない収容所生活の中で、彼は“生きる”ということそのものに疑問を持つようになる。同じ命を懸けるなら、外に出たいと思い始めたデビットは内部の協力者のもと脱走し、その指示に従いデンマークを目指す。

“個”というものが全く尊重されず、人間として認めてもらえないような残酷な状況で育ってきたデビット。暴力に怯え、虐げられてきたデビットにとって他人は決して信じられない存在です。いつも緊張して、何かに怯えるような悲しい目をしています。しかし一方で彼はとても行動力があり、勇気があり、善良で純粋な少年です。

そんな彼が始めて外の世界に出て、自由への切符を手に入れるためにデンマークへと旅をします。初めて見るもの・出会う人に戸惑いながら、過去のトラウマやいつ捕まるか分からない不安と戦いながら彼はデンマークを目指すのです。

私は旅をする彼を見ていて、収容所という所がいかに残酷な場所なのかを少し理解できたような気がします。テーブルを囲んで食事をするということ、青空を風を感じるということ、誰かの温もりや優しさに包まれるということ。誰もが経験しているであろう全てのことがデビットにとっては初めてのことだったのです。今までカチコチに固まっていたデビットの表情が少し柔らかくなった時、ソフィーの胸で涙を流した時、私は胸がいっぱいになってボロボロ泣いてしまいました。

単純な感動モノと思ってはいけません。いろいろなことを考えさせられます。特に私は人間の善意について考えてしまった。覚悟のない安易な優しさは相手を逆に不幸にするだけなのかもしれない。

アイ・アム・デビッド アイ・アム・デビッド

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2005/08/18
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~Link~

アイ・アム・デビッド@映画生活

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» 映画『アイ・アム・デビッド』 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:I am David 1952年ブルガリア強制収容所の苛酷な強制労働のなかで育った、笑うことを知らない寡黙な12歳少年、収容所からの脱走と逃避行が綴られる・・。 デビッド(ベン・ティバー)は、収容所で自分の身代わりに死んだヨハン(ジム・カヴィーゼル)の言葉「生きて... [続きを読む]

受信: 2006年2月23日 (木) 01時43分

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