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「イベリア 魂のフラメンコ」

「ホテル・ルワンダ」が見たくて出かけたものの、上映時間に間に合わずその足で他の映画館へ移動。たまたま時間が合ったのでこの作品を見ることにしたのですが、時間に遅れて良かったとこの偶然に感謝しました。

《作品内容》
スペインの作曲家イサーク・アルベニスの作品とフラメンコ・バレエなど舞踏との合体芸術作品。

“イベリア”と聞いて、スペインがイベリア半島にある国だから“イベリア”というタイトルなんだと思っていたのですが、映画が始まり演奏を聴いてようやく組曲「イベリア」の“イベリア”なんだということに気付きました。しかし、作品中で使われている曲は全て組曲「イベリア」からの選曲というわけではなく、「スペイン組曲」からのものもあったし、オリジナルにはない楽器を取り入れていたり、フラメンコやスペインの民俗舞踊が登場することから、まんざらイベリア半島という解釈も間違いではないかなと。だって、作品そのものがイベリア半島を表していると言っても過言ではないと思うからです。

途中で不覚にも眠ってしまったので⑬ソルツィコから⑰エル・アルバイシンの途中くらいまで記憶がないのですが(本当に勿体無いことをしたと後悔)、それ以外、見ていた演目の中で特に良かったのが②アラゴン・⑧朱色の塔・⑫エル・アルバイシン(同じタイトルが二つあった)の3つ。

まず②アラゴンについて。フラメンコに限定することなく、いろいろな舞踏が登場する本作ですが、この②アラゴンではアラゴン地方の民俗舞踊であるホタという舞踏を中心に作られています。全く知識のない私は見ていて「今まで見たことの無い感じのするフラメンコだなぁ」と漠然と思っていたのですが、それもそのはずフラメンコとは別の地方の踊りだったようです。
これでスゴイ!と思ったのは飛んだり跳ねたりする足の動きとカスタネット。両手に一つずつカスタネットを持って、踊りながら演奏するのですが、これがまた「どうやってんの?」と思うくらい繊細で正確なリズム。私も昔、フラメンコ研究会というサークルに入っていて、カスタネットを持ってみたことがあるのですが、あんなリズムをあの状態で演奏するなんて想像も付きません。その地方で育ち、そういった音楽や踊りに親しんできた人間の血の力みたいな大きなものを感じ(プロだからの一言では言い表せない)とても感動したのでした。
ちなみに私はクラシックの方面で趣味として打楽器に長い間携わっているのですが、クラシックで用いるカスタネットの奏法とも全く違うスペイン舞踊のカスタネット。真剣に弟子入りしたくなりました(踊るのは無理なので、カスタネットだけ教えてもらいたい)。

次に⑧朱色の塔。おそらくこの演目の主役はギターだと思われますが、私は踊っていた三人のおばあさんが気になりました。もちろん、ギターは素晴らしかったと思う。でも、おばあさんとかその辺を歩いてるような近所のおばさんが踊るのを見るのが私はすごく好きだったりする。もうおばあさんなので、今が旬のダンサーのように見た目の派手さは全くないし、動きも鈍い。でも、本当に楽しそうに見えるのです、踊るのです。ああいうのを見てるとその地で生まれた文化の源を見ることが出来たような気になります。

そして、最後に⑫エル・アルバイシン。
余談ですが、⑰番目にも同じタイトルの演目がありました。こちらの⑰番目の方は、残念ながら私には理解不能な内容だった。寝て起きたらあの衝撃的な映像だったからそう思ったのかもしれないが・・・・・。カーテンのようにぶら下がった大きなビニールに向かい、ダンサーが突進して顔をビニールに自分から押し付けて、勝手に苦しんでるという場面から見ることになってしまった⑰番目のエル・アルバイシン。最初から通して見ていれば、また違った感想になったかもしれないけど、あれは理解出来なかった。⑰エル・アルバイシンの感想は「苦しかったら、ビニールから離れよう!」という陳腐なものに終わりました。
で、⑫エル・アルバイシンの方ですが、これは最高に感動しました。うとうとしかけていた目がパッチリと開くほどの強烈なものがありました。本作を見る前、勝手にイベリア→スペイン→フラメンコと思っていた私にとって、これこそ見たかった演目です。まぁ、私はフラメンコと他地方のスペイン舞踊の違いとか細かい区別の出来る自信はないので、よく分からないのですが、私の頭の中でフラメンコというとこの⑫エル・アルバイシンな感じ。この人間業とは思えぬ程のテクニックと踊り手の感情がこちらに迫ってくるような“ゴーッ”という感じ(うまく言葉では表現できない)。も~っ、たまらん!これだけでも、この作品を見て良かったと思えてしまうほど、すごく良かった。
この演目で踊っていたのはサラ・バラスというとても有名なダンサーらしい。このサラ・バラスは⑯アストゥリアスという演目にも出演していたんだけど、寝ていて見ることが出来なかった。これが私の一番の心残り。さぞ素晴らしかったに違いない。

本作の監督カルロス・サウラの作品には「サロメ」「タンゴ」などがある。いつもレンタルビデオ屋に行くと気になっていたんだけど、何となく借りることがありませんでした。しかし、本作で感動した私はこの監督の過去の作品も見てみるつもりです。まず始めに「カルメン」あたりから。

~Link~

イベリア~魂のフラメンコ@映画生活

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